1素朴な本来の芝居を味わう
地芝居は、江戸時代やそれ以前の時代の原形を、残された台本や口伝によって今日に伝えています。そこには時代の変化に流されない、芝居本来の姿があります。
例えば、セリフが少し難しくても、役者の表情や声音は皆さんに感動を与えてくれるはずです。
皆さんは「地芝居」についてどれだけ知っていますか?
また、どのようなイメージを持っていますか?
地歌舞伎と大歌舞伎には、どのような違いがあるのだろう。
文楽の人形は、どのように操るのだろう。
能狂言というと堅苦しいイメージがあるが、実際はどうなのだろう。
獅子芝居は初めて知ったが、どのような芝居なのだろう。
せっかく地芝居と出会ったのですから、思い切って地芝居を見に行きませんか。
ここでは、地芝居ならではの味わい方、楽しみ方を紹介します。
地芝居は、江戸時代やそれ以前の時代の原形を、残された台本や口伝によって今日に伝えています。そこには時代の変化に流されない、芝居本来の姿があります。
例えば、セリフが少し難しくても、役者の表情や声音は皆さんに感動を与えてくれるはずです。
地芝居の場合、役者と観客が顔見知りだったり、ご近所同士だったりすることがあります。舞台の演技に集中することはもちろんですが、周りの観客の会話や掛け声を聞くのも、地芝居ならではの楽しみ方です。
地芝居の楽しみのひとつと言えば、幕間に広げるお弁当や飲み物です。「菓子」、「弁当」、「寿司」の3つの頭文字をとって「かべす」と呼ばれています。近所でお弁当を予約できる芝居小屋もあり、素朴な地元の旬を味わうことができます。
そのあたりは出かける前に調べていくことをお薦めします。
「おひねり」とは、紙に小銭を包んで、ご贔屓の役者が登場したり見得を決めたりした瞬間に客席から投げられるもので、「大向こう」とは、演技中の役者にかける声のことです。
いずれも観客が舞台を盛り上げるために参加できる貴重なチャンスでもあります。
重要なのはタイミングです。おひねりは周りの様子を見ながら初心者でも参加できそうですが、大向こうはリピーターとして出かけるまで取っておいたほうが良いかもしれません。
地芝居公演が行われる芝居小屋の中には、江戸末期から明治期に建てられ、修繕や移築を繰り返してきた建物があります。柱や梁の光沢、舞台へとなだらかに下っている桟敷席など、歴史が感じられる空間を味わうことができるのも地芝居ならではの醍醐味です。