戦後の
地芝居
復興と衰退

 太平洋戦争が始まると地芝居は中断に追い込まれますが、戦後には各地で復興しました。
 しかし、昭和30年代に入って高度経済成長期を迎えると、映画ブームやテレビの登場によって娯楽の幅が広がり、地芝居は急激に衰退していきます。
 その後、地芝居の継承を目的に、東濃地方を中心に保存会が組織され始めたのは1965(昭和40)年頃のことでした。現在、県下では各協議会に加盟する45の保存会が活動を続けています。
 芝居は舞台だけではできません。役者に加えて、振付師・義太夫・三味線・顔師・着付・衣裳屋など重要な裏方に支えられてはじめて成り立つのです。保存会は、地芝居という伝統芸能を未来に残したいと願う人たちの情熱によって支えられています。
 一方で、多くの保存会は、会員の高齢化や過疎化による後継者不足、資金調達など、多くの課題を抱えています。